戸建てのホームインスペクション(住宅診断)編
風光明媚な山の中にある戸建てのホームインスペクションを行いました。
買主の購入判断や売主へ補修を求める際の活用に向いた診断サービスですので買主が依頼することが多いですが、売主が有利な条件で売却する目的で利用することもあります。
今回は売主からの依頼です。
湖畔の傾斜地に建てられていますので、建物の傾きが気になるところです。基礎のクラック、建物内の傾斜等のチェックを重視しています。
部位別チェックポイントとしては、
基礎 | クラック幅、位置 |
---|---|
外壁 | チョーキング、シーリング破断、塗膜劣化 |
屋根 | やね材のズレ・破損、雨樋詰まり(水経路の確保) |
バルコニー | 防水層・排水溝、笠木まわりの劣化 |
建具 | 開閉不良、変形、ノブの緩み |
床・天井・壁 | 傾斜、府可なり、水染み、クロスの破れ |
設備まわり | 給排水確認、漏水痕跡 |
点検用用具
レーザー墨出し器
デジタル水平器
水染み
クロスの破れ
基礎のクラック
外壁チョーキング
築30年以上経過していますので、建物外壁、建物内にそれなりの劣化は見受けられます。
家の傾きは「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」および「国土交通省告示」で、
・新築の家では1メートルにつき3ミリ以下が許容範囲内
・中古住宅では1メートルにつき6ミリ以下が許容範囲内とされています。
ただ、数値が許容範囲を超えていたとしても、気にならないとか不便でなければ修正工事を行う必要はないと言えます。
因みに、本物件の傾きは最大で4ミリでしたので許容範囲と言えますが、傾いている家は生活していて不便ですし、住んでいる家族の健康に悪影響を及ぼす可能性もあります。
傾きを直すには、耐圧板工法、土台上げ工法、薬液注入工法がありますが、いずれも200万円以上の費用がかかります。
今回は、ドローンや赤外線サーモグラフィを使っていませんが、必要に応じては更なる調査も可能になります。