【危険‼】人口集中地区(DIDエリア)でのドローン飛行(2)=対策編=
前回の続きです。
それでは、電波障害を回避するための対策として何があるのでしょうか?
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(1) 事前に電波環境を確認
周囲のWi-Fi環境をスキャン(スマホアプリ「WiFi Analyzer」などを使用)
5.8GHz帯と2.4GHz帯のどちらが干渉しにくいかを判断
通信障害の可能性がある高圧線や通信施設がないか確認
(2) 通信帯域の選択
可能なら5.8GHz帯を優先(Wi-Fi干渉を避ける)
通信安定性を優先する場合、手動で周波数を変更
自動周波数選択機能(DJI製品など)を活用
(3) GPSを確実に受信
飛行前に十分なGPS信号を取得してから離陸
周囲に高い建物がある場合は、できるだけ開けた場所を選ぶ
(4) 強い磁場のある場所を避ける
変電所、大型アンテナの近くを避ける
電線や鉄塔の真下での飛行を避ける
(5) 電波干渉の兆候があれば即座に対応
操作が遅延する・映像が途切れる場合は着陸を優先
自動帰還(RTH)を活用できるように事前設定
電波障害があるエリアでは、手動操縦(ATTIモード※)に切り替えて対応
※ATTIモード(Attitude Mode)は、GPSが使用できない状況や、GPS信号が弱い環境でドローンを安定して操縦するために使用されます。
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ATTIモードに切り替えるケースとして緊急時・トラブル対応があります。
・GPSの異常発生時:磁場の影響やGPS信号の干渉で機体の位置が不安定になった場合、ATTIモードに切り替えて手動で安定飛行させる。
・フライアウェイの防止:GPSの誤作動により、意図しない方向へ飛行する場合、ATTIモードに切り替えて機体の制御を取り戻す。
・強風時の制御:GPS制御だと無理に位置を維持しようとして不安定になることがあるため、ATTIモードで機体の挙動を予測しながらコントロールする。
しかしながら、ATTIモードに切り替えて操縦できるスキルは、国家資格の一等無人航空機操縦士免許所持者でなければ経験をしていない場合が多いと思われます。
=電波環境の確認事例=
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電波チェッカーで飛行エリアの計測
飛行計画に基づき計測ポイントを決めます。
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まとめ
・住宅地では電波干渉が起こりやすく、ドローンの制御や映像伝送に影響を与える可能性があります。事前の電波環境確認、適切な周波数選択、GPSの受信確保、磁場の影響回避などの対策を徹底することで、安全かつ安定した飛行が可能になります。
・電線の間をすり抜ける飛行は非常にリスクが高いため、できる限り避ける。飛行前に環境をしっかり確認し、電線の上空に出るルートを慎重に計画する。
電線のある場所での離発着は可能な限り避けるか、電波干渉をチェックし安全な飛行ルートを検討するのが最善の対策。
以上になります。
安全飛行で建物点検をしましょう!!